2016年03月17日

Alpha碁に関する理科系的考察

再挑戦、再勝利を目指しているプロ棋士、トップアマチュアの方々のために。

一般にソフトウェアのプログラムは企業特許重要機密ですので、部外者に公開されることはありませんが、科学誌向けなどメディア向け広告宣伝のためにある程度の概要は告知されます。Alpha碁に関しては次の情報がWeb上からわかりました。

(1)Alpha碁のハードはCPU1202個+GPU176枚

(2)Alpha碁では、従来より洗練された総当りの方法(モンテカルロ法)と深層神経(ディープ・ニューラル)ネットワーキングを組み合わせています。これらの深層神経ネットワークは、基盤の情報を入力として受け取り、数百万の神経回路に似た接続を持つ12の異なるネットワーク層で処理しています。ポリシーネットワークが次の手筋を選択し、バリューネットワークがゲームの勝者を予測しています。人間のベテラン棋士がかつて用いた3,000万の手を覚えさせることで、AlphaGoは人間の次の1手を57%の確率で予測できるよう至りました。神経ネットワーク間同士で何千回と勝負をさせ、教科学習法として知られる試行錯誤処理を使い接続を調整することで、AlphaGo自身が新しい戦略を発見させるまで訓練を行ない、AlphaGoは、他の人工知能プログラムとの対戦では499勝1敗という成績を収めました。

これらの情報をもとに一人の工学者として、このソフトウェアがどのような思考を行っているかを以下に類推致しました。

(1)GPU(画像処理)をどう使用しているのか? というプロ棋士の先生の疑問をお聞きしました。手順や形表示であれば従来モンテカルロで行ってきた座標表示で十分なはずです。画像として盤面認識するのと座標認識ではどこが違うのか? を考えてみるとわかることがいくつかあります。

@手順が違っても同じ形ができることはよくありますので、形そのものを画像として認識評価しているということです。

A画像直接認識でできることの一つは、形勢判断です。(現在のネット対局場でも形勢判断プログラムは使用しています。)

B画像直接認識でできることの二つ目は、定石検索、定型検索です。その後の選択肢記憶探索条件を画像直接認識から選ぶことできます。

C他には終局のチェックです。

Dプロ棋士やトップアマチュアが行う画像認識には希望想定結果図から逆算して手順を選択する方法があります。未来から過去に逆に読む方法です。これをAlpha碁ができるとさらに強くなるでしょう。あるいはもうやっているかもしれません。


(2)12の異なるネットワーク層には何があるか? も気になるところです。これらの多くは従来からあるものやあるいはその改良作の組み合わせだと思います。従来のモンテカルロ囲碁製作者が課題としてきたのは多数PCの並列化問題でした。ここにニューラルネットワークの自己学習を用いることで、膨大な変数にかかる膨大な諸係数と選択肢選択を自己学習修正できるようにしたということです。ここがこのプログラムが格段に強くなった秘密です。

(3)今後も対局学習を繰り返すたびに諸係数や選択肢経路は、より人間の思考に近づいて行きます。ただしそれがパーフェクトな解(人間そっくり)に結びつくかどうかはまだわかっていません。コンピュータ同士対決だけですと、人工知能の学習が人間から離れて暴走してしまう可能性もあります。過去にはこのような事態がありませんでしたから単純に学習できましたが、これからは人間もコンピュータを意識して、あるいはコンピュータから学んだ手を考慮して打ち進めますので、コンピュータの自己暴走(間違った手でも強い手)に人間が巻き込まれるという現象も起こり得ます。これらはシンギュラリティ(技術特異点)という未知の未来がどうなるかということと関連します。これらの分析をしたくて、複雑系囲碁ゲームと強いプロ棋士を研究相手に選んでいるとも言えるのです。
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Alpha碁に関する文科系的考察

ここ一週間はずいぶんブログやTweet、Facebookコメントを読みましたし、書きました。プロ棋士では、メディアに多数出演なさった大橋先生の他、三村先生、高尾先生、謝先生、藤澤先生、竹清先生、万波先生、冨士田先生のコメント内容は本格的で参考になりました。若手の大熊先生のTweet(ファミレスで書いていたらしい)は面白かったです。トップアマでは永代(ながよ)さんのブログは有名プロでは言えない鋭いところまで書いていてピカ一でした。人類囲碁史上に残る鬼手とされる第4局のイセドル九段のワリコミは、実は正しく応じれば不発弾だったという万波先生の解説を丁寧に紹介しています。あ、これを書いちゃうとまずいのかな? あれはわざと間違った手を打ったのか? それとも局所で不発でも全局的な流れには意味があるのか? いずれにしてもあの手によってAlpha碁の暴走が始まり自滅してゆきました。暴走させるために打ったとしたら超天才です!

ここ1週間、プロ棋士の先生は落胆と感動を繰り返しつつ、リベンジに燃える先生と、そんなの人間の囲碁には関係ないという先生に分かれているようですが、日本棋院での話題はどの先生もこれに尽きるようです。じり貧ぎみだった日本囲碁界にとっては宣伝効果抜群で、これほど囲碁に関心を集めたのはヒカルの碁以来10数年ぶりじゃないでしょうか。韓国でも視聴率は野球中継の1.5倍もあったという記事もありました。

それ以上に驚くべきことは、韓国の棋士を日本人や中国人がこれほど応援したのは、近年なかったのではないでしょうか? ここ数年日中韓のライバル争いが熾烈でしたからね。相手が英米だったからでしょうか? アヘン戦争か黒船襲来かということで、東アジアが団結したと言うべきか? いや待ってください! このプログラム製作者もアジア系の人なのです! つまりは人類対機械の構図、もっと言えば人類対エイリアンみたいな構図で、人類が危機に瀕して一致団結したという感動なのでしょうか? プロ棋士の中には敗北のくやしさの涙もあったことでしょうが、それ以上に人間として連帯しようという愛の心も芽生えたようです。大熊先生は、アルファ碁にマザーテレサのような慈愛を感じたらしいです。そうですね。囲碁の強さに関する個人的競争心をチームとしての団結心に変えてくれたマザーの愛ですよね。

でも我々人類の敵は一体何なんでしょうか? コンピュータを不気味だと感じるコメントをたくさん目にしますが、それは単なる機械で、それを作ったハスピス氏も慈愛ある人間です。「地球環境問題解決やガン治療に応用したい。」とおっしゃってます。何が怖くて、不気味で、何が知能競争の敵なのでしょうか?

そうです。その敵とは、私たち人間が競争に負けた過去の悔しさという感情を累々と蓄積することなのです。悔しさの蓄積という亡霊と戦っているのです。囲碁以外の分野まで普及すると、その敵とは人間の欲、煩悩、原罪とも言えます。それを一身に引き受けてくれるのが機械です。イエスの贖罪でもわら人形でもなく、コンピュータという箱が犠牲や悪役を負うことによって、ネガティブ感情の浄化が行われているような現象を今回感じました。プロ棋士の山城先生は「囲碁の本質は楽しむこと。AIのおかげで囲碁のレベルが上がることを期待しています。」とTBSニュースでおっしゃっていました。よく考えるとそこに敵はおりません。

人類が連帯し、勝負や競争、欲望に関わるネガティブ感情を浄化して、人類生存のため、幸福のために調和することができるとしたら、人工知能はバラ色の未来を創ることでしょう。ただし、負の感情の露呈は一過性の必須条件として許容できるのか? が問われます。そんな愛と慈悲の視点で、AI(人工知能)に関わる人々を温かく見守っていきましょう。

言い過ぎ御免なさい。
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2016年03月16日

囲碁の歴史についての雑学

人工知能に凌駕されるこれからの囲碁教師は、お笑い(健康法)と歴史(文化教養)で生き残ろうと思っております。

囲碁の発祥した年代と場所については、遺跡と文献からすると、中国において紀元前1000年〜2000年頃(殷王朝時代)であろうという説が主流になっています。殷墟発掘の甲骨文字の中に囲碁を表す文字(「其」の下に「木」)が残っております。囲碁を表す漢字は、「其」と「木」の組み合わせ(上下が最初で後に左右)から始まり、やがて「其」と「石」の組み合わせとなりました。一方将棋は元々は「象棋」という文字でした。

また一方、インド古代文明においては、暦法グリッド図(宿曜経マンダラ)や対局絵図(シバ神と王妃の対局)が残っており、インド発祥説もあります。他にヒマラヤ地域(チベットなど)発祥説もあります。

さらに、中国の伝説時代に堯帝が奕(囲碁のこと)を打った記述があり、紀元前2世紀より古い発祥説もある他、暦法(古代は占星術)としてのグリッド図形利用は古代文明発祥よりもずうっと古いとも考えられています。

ゲームとしての囲碁についての文献で最古のものは「忘憂清楽」で、三国志の時代に呉の孫策が打った棋譜が載っています。また、孔子の「論語」の中にも「奕」(囲碁)の表現があります。囲碁を表す文字は、「棋」、「奕」、「碁」、「爛柯(らんか)」、「烏鷺」、「方円」、「手談」があります。

日本の囲碁の最古の記録は「魏志倭人伝」で、卑弥呼が「棋」(「其」の下に「木」)道具を贈られた下りがあります。奈良時代には、碁盤が伝来して正倉院に現存します。また、吉備真備が遣隋使として隋の皇帝と対局している絵が残されています。平安時代には紫式部、清少納言などの女官が囲碁を打っていた絵が残されています。日本最古の棋譜は鎌倉時代の日蓮上人とその弟子日朗の対局です。戦国時代では、武田信玄や真田親子の棋譜、織田信長御前(本能寺)対局(本因坊算砂)の棋譜が残っています。

江戸時代以降は本因坊家など碁院四家による家元制として幕府寺社奉行管轄で知行を与えられてきましたが、本因坊は日蓮宗寂光寺の門跡(僧侶)のことです。本因坊家は現在の日本棋院(本因坊名跡の継承者)まで継承されており、巣鴨と京都の日蓮宗寺院と墓地において毎年歴代本因坊慰霊祭を行っております。その他詳しくは、日本棋院の歴史ページをご参照ください。

http://www.nihonkiin.or.jp/teach/history/

海外の囲碁事情ですが、ダライラマ法王、ムスタン国王、ブータン国王は囲碁を打ち、ヒマラヤ地域では古代より盛んです。日本訪問の際に対局イベントが企画されたこともあります。アジア以外の西欧諸国、南米、アフリカなどでも近年普及しており、アインシュタインやナッシュ(ノーベル賞受賞数学者)も囲碁を打ちました。現在世界の囲碁人口は約3000万人(日本では400万人)とされています。

云々
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2016年03月12日

アルファ碁との調和

囲碁は調和である

本来は引き分けで終わるゲームに勝敗ができるのはどういうわけでしょうか? そうバランスを崩した手を打った側ということになります。もう一方で、バランスがずれた手を打った相手に対して、正しい咎め方ができなかった側ということになります。双方最善を尽くして引き分けで終わることが果てしなく困難であるがゆえに、双方バランスからずれつつ、間違い争いをしてきたのが人間の打つ囲碁であり、それが人間らしい面白味であるとも言えるのです。


アマチュアから見た囲碁という未開拓ゲーム

プロやトップアマの先生の立場からは、強いというプライド、勝ってこそ囲碁というプライドは人生観において譲れないというブログコメントを多々目にします。所詮相手は機械に過ぎない(機械ゆえの限界がある)ということでそこを乗り越えるのだろうと思います。

私はアマチュアですので囲碁に対するスタンスは、「必勝原理、法則」、すなわち「数理的合理性」という興味です。そこは若干違うことに気付きます。負けることでも何らかの新しい合理性を発見するとうれしいものです。(もちろん勝つことを目標に一局打っていますが。)

Alpha碁は相手に応じて次の手を選択しますが、それは確率的に勝率が相対的に良い手であって必勝手ではありません。その思考パターンに見られるのは、難解な不安定性を避けることです。できるだけ分かりやすい道を選びます。それが終盤に強いゆえんなのでしょう。

そこでよくよく考えてみますと、囲碁というゲームにおいて数理的にはっきり正しいと言える法則があること、あり続けてきたことに気付きます。先に打つ黒が必ず勝つゲームであることと、白黒双方最善を尽くした結果の差の目数は近似的にはわかっていること(6目〜7目くらい)です。

すなわち、一手づつのやり取りにおいては、勝つ手を打つのが囲碁ではなくて、等価値を分け合って盤上6目から7目黒が多い結果への道を双方選択しているのが囲碁であるということです。

この考え方は歴史上の棋聖と言われた名人たちが残しています。呉清源先生は「碁は調和である。」とおっしゃいました。高川秀格先生もそれに近い考え方でした。あるいは武宮先生は「広いところから打つのが囲碁です。」とおっしゃいます。勝つことへの血みどろの修行を乗り越えた境地に囲碁の本質が見えるのだと思います。

すなわち着手のバランスです。どちらか一方にのみ有利な着手という法則はなくて、双方が等分に終わる着手こそが数理的に最も正しい手だということです。Alpha碁の打ちっぷりはこの基本的な法則に立ちもだらせてくれました。

すなわち黒番であれば6目勝ちか7目勝ち、白番であれば6目負けか7負けとなる道を考えるのが数理的に正しいと思います。すなわち引き分けを目指すゲームだということです(引き分けにならないために半目をつけたのです)。ただし、コミが6目か7目かはまだ証明できていません。

云々

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Alpha碁の勝利に関する雑感追記

(1)囲碁内容に関しては、プロ棋士の先生方が様々な戦略を考えてらっしゃるので、アマチュアとしてはほとんど妄想ですが、マネ碁の研究にはもって来い(恋?)の相手です。黒番コミ無しで持碁を目指すので互先では使えませんが、定先ならば初手天元のマネ碁をやってみたいです。白番ですと、いつマネ碁はずしを打って来るかという碁になりますが、あまり客受けしないかもしれませんね。その他、左右マネ碁とか、風車系マネ碁とか、色々とマネ碁の研究をするにはもってこいの機械です。

(2)コウ絡みの複雑形にするには、大きな捨て石を序盤で作っておくことが考えられますが、どうもAlpha碁はそういう形になる前に厚く手入れする棋風のようです。それでも、捨て石を使う碁形はやってみたい相手です。

(3)形を如何に決めない碁形にするか? すなわち手抜き碁形も使ってみたい(使わせてみたい)相手です。こちらから手抜きを仕掛けるのはマネ碁と関係します。




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Alpha碁の勝利に関する雑感

世界トップレベルと評されるイ・セドル九段がコンピュータソフトAlpha碁に2連敗しました。昨日は呆然としていましたが、今日は中休み。3・11東日本大震災物故者慰霊の日ということもあって、色々と考えを整理することができました。あと3局残っておりますので、「人間側が人工知能に追い抜かれた」と結論づけるには早計かもしれませんが、Google側の自信からすると、1勝することすら大変なような気がしております。

少なくとも残るあと3日間は、ディープラーニングプログラムの盲点探し、弱点探しという展開になったことは確かです。「序盤から難解な戦いを仕掛けるべきだ。(序盤にもっと考慮時間を使う。)」、「コウがらみの展開を仕掛けてみるべきだ。」、「李九段が気落ちしないように励まそう。」など、プロ棋士の方々のコメントが目に留まりました。

さて私はアマチュア碁打ちですので棋譜内容についてのコメントはさておき、工学者の立場から今後の近未来予測と個人的願望を以下にまとめてみました。ちょっと気が早いかもしれませんので、あくまで雑感ですが。

(1)これは単に囲碁界だけの衝撃的出来事ではありません。人間の思考をコンピュータソフトが凌駕する現象はあらゆる分野に波及します。金融分析、企業経営分析、臨床医学診断、競技審判、自動車運転などはすでにIT化がある程度進んでいます。さらに人工知能研究開発者たちの論評では、司法判決、芸術創作、文章執筆なども人工知能が行うことができる時代になるそうです。そうなりますと、「人間らしさって何だろう?」という哲学的問いを考えてしまいます。「好き嫌いがあることと間違えること。」ということかな?

(2)文明の利器に対する人間のスタンスとしては、賛否両論が出てくることでしょう。「コンピュータのスイッチをON‐OFFしているのは人間だ。」ということです。しかし、誰かがOFFにしようとしても誰かがONにしていますので、推進する立場の人間にイニシャチブがあると言えます。最後は国際機関(今のところ国連)による政治的判断で規制と監視をしようというOFF側の動きも出てくることもあるでしょうが、国連が全てのコンピュータを監視するのは不可能だという現実もあります。となると、どう共存するかという中庸論が出てくるでしょうし(私はこの共存論者です)、コンピュータ同士の優劣競争が激しくなることも起こり得ます。「倫理は文明をコントロールできるか?」という問いが宗教側から出てくることも起こり得ます。「人間は考える葦である。」というパスカルの言葉の重みを痛感しております。

(3)中庸共存論に立つならば、囲碁界に関しては以下のことが私の個人的願望です。

@コミを確定するのに活用して欲しい。コンピュータ同士をコミ5目半、6目半、7目半で対戦させて勝率を算定してみる。19路盤だけではなくて、13路盤、9路盤でも算定してみる。

A置き石の価値を目数で算定してみる。これも統計分析が可能です。

B布石の定型に関する勝率を算定してみる。中国流とかミニ中国流、三連星とか、シマリ形とか、布石定型ごとにコンピュータ同士を対局させて、布石定型の評価分析が可能になります。

C対局後の検討の際に、別の手を打ったとして、その後コンピュータが打つ変化図を添える。

Dアマチュア指導のためにコンピュータが人間に置かせて対局をする。(プロでも先か二子くらいになるやも…)

以上、すなわちAlpha碁は人間のトップ棋士に勝ったけれども、囲碁の必勝法を解いたわけではありません。ディープラーニングにより人間の脳機能を不完全ながら模擬できたけれども、それは大容量によって確率的により優れた手を打っているに過ぎないということです。たとえば第一手を天元に打つと必ず黒が6目勝つとか、星とか小目とかだと結果はこうなるとか、そういう数理的解明をしているわけではありませんので、統計的確率的に勝率を計算するのに活用して、より良い手法をさらに進化させる手段とすると、人間の対局と共存していけると思います。いずれの日になるかはわかりませんが、囲碁必勝理論を解明したいという人類の夢は尽きません。

云々

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2015年12月24日

第15回たけのこ杯北海道こども囲碁大会


第15回 たけのこ杯 北海道こども囲碁大会
於 札幌市教育文化会館
2015.12.23
当教室から4名が参加しました。Cクラスで浅井君が準優勝しました。大会は昨年並みの参加人数でしたが、チャンピオンクラスに低学年の子供が増えたことは良い傾向です。指導碁は伊藤優詩三段と谷村義行八段が担当しました。

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2015年10月28日

囲碁教室生徒募集中!

現在の石山囲碁道場囲碁教室の週間スケジュール及び生徒数は以下となっております。
教材は、囲碁未来、Go碁ドリルを主に使用しております。
見学体験は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。

日本棋院札幌南支部 石山囲碁道場 囲碁未来教室  011‐592‐0034
札幌市南区石山2条3丁目1‐26

☆土曜日(日曜日も可)子供囲碁教室 13:00〜17:30 6名

☆水曜日婦人囲碁教室 13:00〜17:00  2名

☆木曜日大人初級教室 15:00〜17:00  1名

☆北海道インターナショナルスクールでの囲碁クラブ 
主に火曜日、金曜日、月3回程度、お母さんクラス3名、子供クラス10名 

☆Facebookページ  「きんちゃんの囲碁教室」
こちらをクリックしてください。
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2015年09月18日

入居者契約済

環境と共生する集合住宅「ニューブライト石山」では、NTT東日本のフレッツ光マンションタイプ対応とともに、Jcomのin my room対応をしております。

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JcomTV 地上デジタル放送&BS放送全戸無料! CS放送半額(オプション)
Jcomネット ケーブル接続&Jcomプロバイダ契約 半額(オプション)
Jcom電話 対応可能

二階立てテラスハウス方式 2DKペット可、車2台可

ニューブライト石山のご案内
http://www.momo21.co.jp/brite.html

北海道の住まいと環境を考える会「集落庵」
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/8533/
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2015年06月05日

コンピュータ囲碁対局観戦記(後編)

−人工知能学会全国大会2015における 下坂美織二段 対Zen 対局−
後編(棋譜検討)

                   日本棋院札幌南支部長 公認審判員 岩本欣也(工学修士)

 今回の棋譜検討にあたり、「コンピュータ囲碁−モンテカルロ法の理論と実践」松原仁編、美添一樹、山下宏著(共立出版)を基礎教養としております。この著作は現在のコンピュータ囲碁プログラマーが学ぶべき入門書で、大学の情報工学、システム工学の素養があれば大概は理解できると思います。

 さて、初めに将棋ソフトと囲碁ソフトの根本的な違いからお話し致します。「囲碁ソフトを製作している人たちはきっと囲碁が強いんでしょう。」と言う方がよくいらっしゃいますが、今回のZenの製作者である加藤英樹氏は自称初段ということです。中にはルールしか知らないプログラマーがたくさんいるそうです。これが将棋となるとかなり強い方々がプログラムを製作しております。どちらも一手ごとに枝分けをして大きなツリーを作って選択肢を選ぶことには変わりないのですが、枝の選び方が根本から違うのです。将棋では経験則から評価関数を創出して一手ごとの点数を計算し、最善手を選択するのですが、囲碁では評価関数を使わず、乱数で抽出した枝ごとに終局まで打ってしまい、プレイアウトさせてその結果が勝ちか負けかを判定させて、より勝ちの多い枝(確率の高い枝)を選択するモンテカルロ木検索という手法を用いています。将棋では駒の価値や動きなどを関数にしやすいのですが、囲碁は序盤中盤終盤で使う思考が違い、盤面があまりにも広いために良い評価関数を創出することがとても困難であることが弱い原因とされてきました。そこで、終局が地の目数(中国ルールでは石の数)で単純に評価できること(将棋やチェスでは終局図は複雑)に注目したわけなんです。どの枝も終局まで打って勝ち負けを確率で判定する(目数平均ではありません)単純化とコンピュータ得意の大量処理能力を用いて格段に強くなったわけです。ただしかし、いかに大容量のコンピュータといえども、19×19の盤面で一手ずつ進行する手順全てを枝分けすることは不可能であり(局面数は将棋が10の69乗、囲碁が10の170乗)、探索する枝を選別するUCTという手法を用います。要は探索木をいかに少なくして演算時間を短縮するかと、プレイアウト終局図の判定法の実用性をいかに高くするかに、プログラマーは改良を重ねているので、囲碁のルールや特殊な変化(シチョウ、マネ碁、中手など)の知識は必要でも、囲碁が強いことや経験豊富なことは必要ないのです。ですから、同じ囲碁をやっていても、棋士とプログラマーでは作業はまるで違います。「まるでボクシングのリングでプロレスラーが挑戦しているようなもの。」という喩えがよく言われます。

 乱数で抽出する手数をどの程度の計算速度で処理しているのかは、CPU容量やその個数、PC台数によって違いますが、今回は3台のPCを用いて1分間に3千手?くらいだそうです。クラウドのようにコンピュータを多数つないで処理能力を高める並列化の方法が開発途上となっています。もちろんスパコンなどを用いればさらに強くなりますが、単純に容量に比例するわけではないようですし、現在世界にある全てのコンピュータをつないだとしても、19路盤上の合法手全ての選択肢を処理するのは不可能であることは明瞭です。

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 さて今回の対局の棋譜検討に入ります。結論から申しますと、モンテカルロ法の限界が明瞭になった一局でした。プロにハンディキャップ置碁では近づくことはできても、互先で勝つことは不可能であることが明瞭になったという感じがします。当面はコンピュータ側の低迷期が続くと思います。もちろんいつブレークスルー(障壁突破)が起きるともわかりませんし、それはモンテカルロ法以外かもしれません。モンテカルロ囲碁は大きな模様を張ったり、そこに飛び込んできた相手の石を取るのは得意ですが、攻め合いや死活、コウの振り代わり、シチョウなど長手数に及びながらも最善手が一通りしかない場合は間違えることが多いです。またプレイアウト終局図が石数を数える中国ルールに近い考え方を使っているために、今回はグズミという終盤での石のダブリを選択してしまいました。確率の高い枝を選んでいるということは、

  「勝つ手の選択を光、負ける点の選択を闇とすると、その先により灯りの多い選択肢を選ぶのは得意ですが、その先は暗い中にもいくつかの灯りがあり、さらにその中の一筋の光りみが正しいという選択肢を選ぶことはできず、人間がその長手数の一筋を選ぶと、コンピュータは途中で間違えて闇に沈む。」

  という喩えを用いるとわかりやすいと思います。長手数のシチョウや死活がその弱点です。もちろんそれらを避けるように改良してはいます。すなわち、人間側は局面を複雑にしよとし、コンピュータ側は単純化しようとします。一言でいいますと、モンテカルロ囲碁は「明るい碁」であり、今回のZenは特に筋の良い碁を打ちます。

第一図の場面。普通であればここでの手抜きは考えにくいですね。普通は「大場より急場」です。しかし果たしてAなのかBなのか? あるいは△にノゾいて目を取りに行くのか、戦略の分岐点にあたりますので、長手数のヨミが必要な場面です。こういう闇がある中で少ない光りを見出そうとするよりも、より光りの多い大場の◎を選択する特徴があるわけなんです。

第二図の場面。小林覚先生の示した変化図です。このように高目に外側からカカって、辺に根を下ろすのが良いとされますが、Zenは隅を選択して辺の白模様をほぼ確定地にしました。もちろん三子のハンディキャップがありますのでこれで勝勢とも言えませんが、白まずまずの出だしと言えるでしょう。なぜ辺より隅を選ぶのか? となりますと、やはり隅の方が明るいため、辺には闇が多いということなんでしょう。

第三の場面。中盤戦突入です。この変化を追うとZenの中盤戦の力が如何に強いかに驚きます。アマチュア高段者でもここまで筋良く戦うことはできないかもしれません。どの手も本筋です。このように一方的に攻める流れでは灯り(本筋)の選択はわかりやすいということです。アマチュアでもよく厚みに入ってきた相手の石を攻めるのが得意の人がいますが、Zenは本筋を好む厚み派という感じがしました。対して下坂プロのシノギはさすがでした。A,B,Cの筋を使ってコウを含む長い手数を正確に打ち進め、決定打を与えずにそこそこの振り代わりで分かれました。このあたりは双方なかなかやるな、と言う感じでした。

第四の場面。形勢は細かくて微妙な終盤戦に突入しました。今までの流れでは下坂プロがポイントを着々と重ねて逆転したかのような感じがしましたが、実際に数えてみますと形勢不明です。コンピュータ囲碁に対して終盤に入るあたりで5目くらい勝っているつもりでも、終わって数えてみると負けることがよくあると言われます。既存の固定観念では計れない中盤戦の結果が多いからでしょう。ここが人工知能のすごいところだとも言われています。すなわち人間の固定観念の盲点を気づかせてくれることです。

  しかし人間の固定観念にない手が、この一局ではどう見ても損だと思います。左上黒1のグズミ、そして黒17のマゲです。特に黒17は一手パスに近い小さい手です。どうしてこれらの手を選択したのかについて、製作者の加藤氏は「地計算が中国ルールで石数によるために、こうなりました。それと形勢良しとしてより安全な手を選んでいるようです。」と分析しておりました。そして、「形勢良しとするのは機械自己学習によるもので、プロ相手だとそれよりも上なので評価点を辛くしてより厳しい手を選ばせる必要があるでしょう。」と改良点を話していらっしゃいました。

  以上、総じて今回のZenは中盤は強く、終盤は弱かったようです。これはどうやら、UCTや並列化による探索木の選び方を中盤重視にしたために、終盤に来て勝ったと思ったことが原因のようです。最後まで勝率表示が8割から9割と高いまま左上の緩着が出てしまいました。そして一気に逆転した後は勝率30%を切りましたので、自動的に投了となりました。次は改良していらっしゃるでしょうから、三子はさらに厳しい対局となることでしょう。楽しみにしております。

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2015年06月03日

コンピュータ囲碁対局観戦記(前編)

−人工知能学会全国大会2015における 下坂美織二段 対 Zen 対局−
日本棋院札幌南支部長 公認審判員 岩本欣也(工学修士)

 2015年5月31日(日)、はこだて未来大学においてコンピュータ囲碁対局イベントが開催されました。

 対局したのは帯広出身で函館白百合高校卒の下坂美織二段と、昨年までコンピュータ囲碁チャンピオンだったZen (開発代表者加藤英樹氏)、解説は小林覚九段でした。このイベントは一般囲碁ファン向けのものですが、一方で人工知能学会全国大会における学術界からのチャレンジでもあったわけです。会場の大学体育館には、函館地域の囲碁ファンとコンピュータ関係者合わせて200名程度が観戦に集まりました。結果としては、かなりハラハラさせてから人間側が勝利したわけで、イベントとしては成功を収めたと言えるでしょう。

 事前に非公開で開催された基調講演で松原仁会長が「人工知能は世の中をどう変えうるか?」というテーマで、チェスや将棋と人工知能の変遷を語られました。コンピュータチェス、ディープ・ブルーが世界チャンピオン、カスパロフを破ったのは1997年のことで、現在ではノートパソコン程度の容量があれば世界チャンピオンに勝てるソフトができており、さらにはスマホソフトでも勝てるレベルまで達しているとのことでした。しかし一方、人間のチェス世界チャンピオン戦は今でも活況を呈し、世界の現在のチェス人口は約7億人(日本では約2万人)と国際化とともに増える傾向にあるようで、人間が機械に敗れることは負の影響はなく、むしろ、自転車、バイク、自動車が100m競争で人間を負かしてきたような文明の一過程に過ぎないということです。またコンピュータ将棋は、ここ数年でプロに匹敵するレベルに達しているとの報告もありました。一方コンピュータ囲碁については、現状レベルではプロに三子でも厳しいですが、将棋と同じようにブレークスルー(障壁突破)技術が出てくることが想定され、10年から15年でプロレベルに達するだろうとのことでした。

 この全国大会のセッションや公開討論のテーマを見てみますと、現状の人工知能(AI)がどこまで発達していて、将来何を目指しているのか、その問題点は何か?を垣間見ることができます。「認知科学とAIの再会−認知科学会とのコラボレーションセッション」、「公開討論・人工知能学会倫理委員会」の二つは重要な今後のテーマです。

 囲碁イベントで会場から、「人間が楽しんでいるものをわざわざ機械でやる必要がなぜあるのか?」という当を得た質問がありました。会場では専門的になり長くなるのでお答えしませんでしたが、ひとつにはコンピュータプログラムの理論は幅広い応用範囲があり、ある目的で開発されたアルゴリズムを別の目的で試みるとさらに進歩するという視点があります。コンピュータ囲碁を格段に強くさせたモンテカルロ法というプログラミング手法は、本来は量子力学における中性子の動きをシミュレートする近似手法として開発されてきたものです。身近には円周率πの近似計算にはモンテカルロ法が適します。ですから何も囲碁将棋に勝つことが目的で学者たちがプログミング理論開発をしているわけではなくて、彼らは技術開発のために応用しているに過ぎないということです。

 もうひとつには、近未来の人間と人工知能の関わりについて想定されることをゲームから始めることで社会リスクを低減する効果があります。現在ではカーリング、バスケットボール、サッカーなどゲーム性のあるスポーツでも人工知能は応用されています。「それじゃあ、囲碁将棋、スポーツを実験台に使っているのか?」という問いも尤もなものです。しかしながら、これが自動車の自動運転技術であればどうでしょう。ひとつでも事故が起きてしまえば、もはや人工知能活用への社会的理解を得ることは不可能になってしまいます。その技術によって年間交通事故死が半減し交通の安全性を格段に高めるものだとしても、たった一回のプログラムミスを出してしまえば、人工知能開発は途絶えてしまうことでしょう。医療への応用もわずかなミスによって人命にかかわります。そういう点ではゲームや娯楽から応用するのは社会的リスクを相対的に低くする、少なくとも人工知能の認知や理解が進むという考え方が学術側にはあるようです。それが正しいかどうかまでは私にはわかりませんが、知能ゲーム界、スポーツ界への応用においても、倫理規定を策定することはとても重要であると考えております。特に棋士や選手の戦略の癖やミスをも評価関数にするような、特定の競技者をターゲットとするラーニングタイプのプログラムの開発は、プログラマーと競技者との壮絶な死闘を誘発しますので、要注意です。ゲーム応用に汎用性があることが基本原則だと考えます。さらに加えて囲碁界から物申すならば、布石理論、定石手合い割理論、石の筋理論、死活判定、ヨセ計算などに活用できるのであれば、良好な関係が保たれ、さらには共同研究すら可能になることでしょう。人工知能は思考のための道具であるという原則に立つならば、どの業界でも歓迎されることでしょう。

 あるいはよく言われるのは、人工知能が代替することによって消滅する職業の話があります。英国オックスフォード大学で人工知能の研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授の弁によりますと、「コンピューターの技術革新がすさまじい勢いで進む中で、これまで人間にしかできないと思われていた仕事がロボットなどの機械に代わられようとしています。たとえば、『Google Car』に代表されるような無人で走る自動運転車は、これから世界中に行き渡ります。そうなれば、タクシーやトラックの運転手は仕事を失うのです。これはほんの一例で、機械によって代わられる人間の仕事は非常に多岐にわたります。米国労働省のデータに基づいて、702の職種が今後どれだけコンピューター技術によって自動化されるかを分析しました。その結果、今後10〜20年程度で、米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高いという結論に至ったのです。」というショッキングな近未来予測がなされています。これは新たな産業革命と言っていいでしょう。もう一つは今後50年以内に訪れると予測されるシンギュラリティ(技術特異点)問題があります。シンギュラリティとは、未来研究において、人類の技術開発の歴史から推測して得られる未来のモデルの正確かつ信頼できる限界(「事象の地平面」)を指します。「強い人工知能」や人間の知能増幅が可能となったときが技術的特異点になると考えられています。未来予測学者たちは、特異点の後では科学技術の進歩を支配するのは人類ではなく強い人工知能やポストヒューマンとなり、従って人類の過去の傾向に基づいた変化の予測モデルは通用しなくなると考えています。

 果たして人工知能によってバラ色の未来が来るのかどうか? こういう議論は最近始まりましたが、現在はアメリカが主導し、日本でも産業総合研究所を中心に技術拠点作りが着々と進められております。日本人の発想からしますと、同じ技術も使いようによって人の役に立ちますし、使い方を誤ると人を害することになります。今回の人工知能ブームは三度目だそうです。一度目はコンピュータが登場した戦後間もなくの時代、次は自ら考える第五世代コンピュータが登場した20世紀末の時代です。過去二度のブームがなぜ衰退に至ったかを考えますと、今回の三度目のブームの見極めに役立ちます。一度目については、1965年に機械翻訳はダメであるというレポートが出て、それからしばらく冬の時代になります。そのレポートが指摘したセンセーショナルな例は「肉体はいつか滅びるが精神は永遠」という趣旨の聖書の一節を、英語からロシア語に機械翻訳し、それを再び英語に機械翻訳したら「ウォッカは美味しいが肉は腐る」になった、と。つまり「精神」が「スピリッツ(蒸留酒)」に変わってしまったわけです。これはキリスト教文化圏ではかなりのインパクトで、たちまち予算が削られ、研究費が捻出できず、機械翻訳が主流だったAIの研究は一挙に縮小しました。二度目については1970年代後半から80年代にかけて、「エキスパートシステム」の開発によります。医療で特定分野の病気の患者のデータをコンピューターに入力すると治療法と薬の処方箋を教えてくれるシステムの方が、新米の医者よりも診断成績が良かったのです。これは有望で、生産現場などビジネスにも応用できそうだと、日本にも潮流が波及し、大半の電機メーカーが人工知能の部署を新設しました。当時の通産省は550億円を投じて「第五世代コンピューター」プロジェクトを立ち上げ、「自ら考えるコンピューター」をキャッチフレーズに多くの企業を巻き込んだ一大ブームになったのです。しかしエキスパートシステムも第五世代コンピュータも、一言でいえば期待外れでした。コンピューターに特定の知識を教えることはできても、人間が意識もせずに持っている常識をわきまえさせることが困難だったからです。よく言われたジョークですが、41度の高熱がある患者さんをどうすればよいかと医療エキスパートシステムに聞くと、二通りの答えが返ってくる。一つは「解熱剤を飲ませる」。これは正解。ところがもう一つは「殺す」。死ねば体温は気温と同じになります。さすがに当時のエキスパートシステムはそこまで愚かではありませんでしたが、要は、コンピューターは「体温を下げる」方法を知識として持っていても、命を救うのが医療行為という大前提の常識を持たない、ということなのです。しかし、その手の常識を数え上げていけばきりがなく、すべてをコンピューターに入れるのは無理なことが、1980年代後半から1990年代にかけて分かりました。こうして2回目のブームも去ります。(以上、松原仁教授著作より抜粋)

 その後に生命科学が発展してディープラーニングコンピュータが話題となり、今回の三次ブームを迎えます。その間に生命倫理の問題が大きくクローズアップされるようになりました。人間クローン技術が神への冒涜となってコンピュータによるゲノム研究応用に規制がかかるようになりました。キリスト教では動物の生命倫理には甘いですが人間に関わる生命倫理には宗教上越えてはいけない一線があります。今回は人類福祉に寄与しようとする熱意はありますが、最後は宗教倫理の限界に到ることが予想されます。さて仏教国、神道国の日本では哲学的にどうなんでしょう? 仏教として考えるならば「色即是空」です。科学は進歩しているのではなくて変化しているに過ぎないということであり、人間の関係性の因果の中にあるということです。ここでは性悪説については省略します。なぜかといいますと、キリスト教の原罪や仏教の煩悩の話は無尽蔵の因縁の中にあり、きりが無くなるからです。

 さて、肝心の棋譜検討とコンピュータプログラミング検討については、それぞれの専門家に任せた方が宜しいのですが、問題なのはSE業界とプロ棋士業界で共通する専門用語がまだ確立していないということです。あるいはどちらも極めた人はまだ少ないということです。ですので、私なりの知識の範囲で両サイドに参考になるような棋譜検討を試みたいと思います。

(後編に続く)

                             
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2015年02月26日

ガラス工房 スタジオπ

2月26日(木)、石山にありますガラス工房 スタジオπ を訪問し、ガラス工芸作家の上杉高雅御夫妻とお話させていただきました。自宅にて静かな時間を過ごす際にフィットするLiquid Glass Candle を購入し、自宅のお堂にて点火してみました。 光の影模様が幻想的です。 札幌スタイルカタログに掲載された認証製品ブランドになっています。つららランプも照明用デザイン金具とセットで予約してきました。

http://greens.st.wakwak.ne.jp/906076/index.html

リキッドキャンドル.jpg   上杉高雅.jpg


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2014年11月27日

お父さんピアニスト発表会

さる10月18日(土)は、恒例になりました秋の発表会でした。今回はお母さんピアニストの演奏が多く、密度の濃い演奏を堪能して幸せな時間を過ごすことができました。懇親会は音楽の話題でシンクロして盛り上がりました。会場世話役の花しゅうの坂野さん、佐藤会長ありがとうございました。

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2014年10月17日

囲碁レッスン in HSI

今日は北海道インターナショナルスクールでの囲碁レッスンです。かわいい子供たちに囲まれて幸せな一日でした。明日から秋休みなので、バーベキューパーティが開催されていました。ビーフが美味い! トライアルクラスは日本語中心の子供ですが、これがうまくいくと生徒が増えて英語での囲碁レッスンへと展開する予定です。名前を覚えるのが大変です(汗〜

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2014年06月16日

石の響きのコンンサート その2

石の響きのコンサートその2 in ぽすとかん
6月21日(土) 16時開場  
16時15分開演 

☆きんちゃんのピアノイントロ
Aqua

☆アンサンブル  
花は咲く、ユーモレスク、タイスの瞑想曲、真珠採り、他        

☆和久井先生のピアノソロ
アメージンググレイス、ホールニューワールド、月の光、他

         
**出演者プロフィール**
ピアノ    岩本欣也    
フルート   高坂博文  
バイオリン  澤田まさ子
ピアノ    和久井万里

札幌軟石まつり実行委員会
http://sapporonanseki.jimdo.com/
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2014年06月04日

石の響きのコンサート2014 in ぽすとかん

石の響きのコンサート in ぽすとかん
6月7日(土) 16時開場  
16時15分開演 

☆アンサンブル  
めぐり逢い、You raise me up、花は咲く、他        

☆明治のオルガン演奏  浜辺の歌     

☆久石譲ピアノ曲
One Summer’s Day、風の伝説、他
         
**出演者プロフィール**
ピアノ    岩本欣也   荻美穂子  
フルート   高坂博文  
バイオリン  澤田まさ子

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札幌軟石まつり2014

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メイン会場は石山のぽすとかん。 今回は石山エリアを楽しくお過ごすいただくしかけが 盛りだくさんです。 ぽすとかんだけでなく軟石のふるさとを石山でのひと時をお楽しみください!
■開催期間>2014年6月1日(日)〜30日(月)
※木曜日休館
平日11:00〜16:00
土日10:00〜17:00

■メイン会場>ぽすとかん(旧石山郵便局)
住所 札幌市南区石山2条3丁目1-26
駐車場は、お隣の妙現寺さんの駐車場をご利用ください。
※ご厚意でお借りしております。マナーを守ってご利用ください。

公共交通機関では地下鉄南北線「真駒内」〜じょうてつバス [12]真駒内線(藤野線)に乗り換え。「石山中央」下車、徒歩2分

■札幌軟石まつり実行委員会
http://sapporonanseki.jimdo.com/
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2014年03月10日

ゆうちょ杯第17回ジュニア本因坊戦

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3月9日(日)、札幌市教育文化会館において、ゆうちょ杯第17回ジュニア本因坊戦が開催されました。石山囲碁道場子供教室からは2名が出場しました。こうへい君(幼児)11級が3勝1敗で4位、あおいちゃん(小学1年)15級が2勝2敗でした。どちらも優勝した子供に敗れて、とても良い勉強の機会でした。次回は雪辱を期したいと思います。頑張ろう!  なお、チャンピオン戦では、田中玄輝君が優勝しました。2位は松本凜太郎君でした。全国大会の活躍を期待します。

日本棋院札幌南支部 石山囲碁道場子供囲碁教室
毎週土曜日午後1時から
http://www.momo21.co.jp/dojo.html
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2013年12月23日

たけのこ杯北海道こども囲碁大会

第13回たけのこ杯北海道こども囲碁大会が札幌市教育文化会館で開催され、石山囲碁教室からあおいちゃんが出場しました。お見事! 3勝1敗で敢闘賞と16級の認定証をいただきました。指導碁では伊藤優詩二段と九子で対戦しました。この大会は囲碁を楽しもうという雰囲気があり、あおいちゃんには打ちやすいようでした。4回の対局はどれも、どちらが勝ってもおかしくないほどの実力伯仲の内容の濃い名局ばかりでした。とても楽しい一日でした。ありがとうございます。

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2013年12月09日

懐かしの定山渓鉄道

かつての札幌には、定山渓温泉から豊平まで鉄道があった。定山渓鉄道である。その駅舎で唯一残るのは、石切山駅である。現在は石山商店街振興会会館として使用され、当社の向いにある。鉄道は大正7年に開業し、昭和44年に廃止された。私が小学校5年生の時に、最終花列車に家族で乗ったのは記憶に残っている。定山渓や小金湯温泉にスキーに行く時や、豊平まで出かける時によく乗ったものである。じょうてつは東急に合併されて、現在でもバス路線が走っている。

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